脂質と糖質はダイエットの大敵?!たんぱく質、脂質、炭水化物はどれくらい摂るべきか

ダイエット

糖質はダイエットの大敵だ」「脂肪を落としたいなら脂質を控えるべきだ」、この様なダイエットアドバイスはダイエッターなら誰もが見聞きした事があるのではないでしょうか?中にはパンや白米を避けたり、脂質の多い料理を控えたりしている方もいるかも知れません。そして中にはそれで減量にある程度成功した方も!

これらはマクロ制限論に基づくダイエット法でして、本記事ではそう言うダイエットでフォーカスされる3大栄養素、「マクロ」についての解説と、それぞれの摂取量を操作する利点欠点、そしてそれが本当にダイエットに必要かどうかを解説してまいります。

まずは大前提:減量にはCICO 摂取と消費カロリーの差がナンバー1

真っ先にお伝えします:ダイエット、体重を落とすため第1にはカロリーコントロールが必須です。摂取カロリーより消費カロリーが多い状態が無いとどう頑張っても痩せません。このCICO論については既に長く書いていますのでわからない方はそちらで読んでみてください。

 

 

3大栄養素はそれぞれカロリーがありまして、摂取すればカロリーを摂取している事になります。いくら糖質カットしても脂質爆食いではいつまで経っても痩せません。と言うか確実に太ります。それもあって必ずしも一つを完全になくせばOKってわけでもありませんし、それぞれ実は重要な役割があります。

マクロとは?栄養素とダイエットの考え方

マクロと呼ばれるものは Macronutrients の略でして、主に食事の3大栄養素である「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の主要カテゴリーを指します。主要カテゴリー内に例えばタンパク質にはグルタミンやトリプトファンなどの栄養素がそれぞれ存在してそれが厳密に言うとマクロ栄養素なのですが、ざっくり3種だと覚えて問題ないです。

ビタミンやミネラル(カルシウム、カリウムなど)のミクロ栄養素Micronutrients)と違って人間が1日で多く摂取して、体のエネルギーへと変換する物を指します。雑学レベルにまでですが、アルコール(エタノール)、繊維質、水もマクロの一部とされてますが水分と繊維はエネルギーに変換されず、アルコールはカロリーはあるものの人体にとって必須栄養素とはされていません。

そんな中で3大と呼ばれるだけあって、ダイエッターでも筋トレのトレーニーでもタンパク質、脂質、炭水化物に基本的にフォーカスを絞って語られますし、本記事でもそちらを紹介します。

マクロごとカロリーと効果

・タンパク質
カロリー:1g あたり 約4kcal
効果:タンパク質とそれを分解した必須アミノ酸は体のあらゆる部分を構築します。筋肉は言わずもがな、臓器や皮膚や髪や爪などタンパク質無しには作れません。

・脂質
カロリー:1g あたり 約9kcal
効果:分解して体では自然生成されない必須脂肪酸になり、ビタミンA、D、Eなどの吸収を可能にしたり、動脈硬化予防など血管や臓器を守る効果があります。更にホルモン(例えば筋肉に大事なテストステロン)などの分泌に役立ちます。

・炭水化物
カロリー:1g あたり 約4kcal
効果:体が優先的に使うエネルギー源であるため大事なタンパク質が筋肉に送られるようにしてくれる他、疲労回復に大きく関与していたり、炭水化物が分解されてその一部が筋力に必須なグリコーゲンになるためトレーニングにも重要。更に筋量維持に大敵の筋肉の分解を妨げる効果もあります。

それぞれの摂取量と偏りの危険性について

・タンパク質
1日の推奨摂取量:体重(kg) × 1.6g~2.2g
ダイエットの観点からして筋量維持はシェイプアップにも基礎代謝維持にも大変重要のため摂取は絶対怠りたくない。大幅の不足は身体が生きていくために必要な臓器等に優先的にタンパクによる必須アミノ酸を送り込み、更に不足しているとそれを筋肉を分解して補う事になります

但し、タンパク質はグラム単位では最もコスパが高く、そもそもタンパクだけ摂っては中々すぐ飽きるでしょう。そこで朗報として上記の範囲以上に摂っても筋肥大や筋量維持は必要ないとされて、あまり多く摂りすぎると逆効果だと。Dr. Mike Israetelが挙げる「Caloric Constraint Hypothesis」、すなわちカロリー制約以内の摂取マクロバランスが挙げられます。簡単に言うとカロリーが制限されている中そこまでタンパクだけ摂取すると、十分の脂質や炭水化物が摂れなくなります

・脂質
1日の推奨摂取量:体重 × 0.66g~0.9g※
※タンパクと炭水化物に比べてまだ科学が明確な数値的結果が出ていないが、上記は良く挙げられる数値なので目安としては問題ないでしょう。
脂質は上記挙げてる様々な健康効果がありますので絶対必要最低限は摂りたい。但し、カロリーが他マクロの倍以上となるためすぐかさんで行きます。それを所以に脂質カットのダイエットの多くもそこそこ結果が出るように、純粋にカロリーを大きく下げるためにダイエット観点から減らしやすいマクロとなります。但し、臓器や血管を守るためにも、十分摂っておくことは心がけましょう

・炭水化物
1日の推奨摂取量:運動量に合わせて変動※ 通常:体重×1.6g 中級:2.2g プロアスリート:2.6g+
※あるいは、必要タンパク・脂質量を摂ったら、残りを炭水化物とする
身体に必須なインスリンやグリコーゲン生成のためにも、疲労回復によるトレーニング効率(筋肥大用の高レップ範囲の体力をつける事)やダイエット維持(脂質よりグラム単位では満腹感を得る事が出来たり、純粋に人間に好まれる料理に多く含まれているモチベ)のためにも非常に重要。運動量が少なければそれなりに減らせる事は出来ますが、他マクロが十分摂れていれば悪影響は無いため、タンパク質と脂質が十分摂れていれば残りのカロリーは炭水化物にしても良いでしょう

でもでも!糖質ゼロや脂質制限で成功した人もいるじゃん!

本記事で紹介している通り、各マクロにはそれぞれ摂ってないといけない大きな健康効果があります。脂肪が落ちても皮膚がボロボロで筋肉が一切ないヒョロヒョロ体系や、モデル体型だけど血管がガチガチだったり常に起き上がる元気もない状態にはなりたくないでしょう。

但し、「短期的に」「健康的に」「戦略的に」用いたマクロの操作は否定していません。このようなダイエット手法で言う体重が減っている事に関しては9割がたカロリー管理による結果ですが、そのカロリー管理を例えばケトジェニックダイエットなどで糖質を制限する方があなた個人にとって維持できるならばそれは当然上手く取り入れることは良いでしょう。

まとめ 結局、正しいマクロ配分は?

一言で言うと「タンパク質を十分摂れていて、最低限の脂質を取ろう。あとは体と相談!」になりますが、上記アドバイスを取り入れた一例を挙げてみましょう。

例:男性30代 / 177cm / 80kg
目的:体重減
目標:週で約0.5kg減 ≒ 週で約 -3500kcal/1日約-500kcal

これを実現するダイエットと、それに含まれるマクロの設定の計算

TDEE計算:2,100kcal ※おなじみTDEE計算
運動量: 軽めで1日-200kcal = 1,900kcal
残り減量分のカロリー削減 = -300kcal

運動量は消費する分のため、食事で摂れるカロリーは 1,800kcal

まず、タンパク質を計算
・80kg × 1.6g~2.2g = 128g~176g
・タンパクは1gあたり4kcalのため
・4kcal × 128~176 = 512~704kcal
間を取って600kcal(約150g)としましょう

残摂取可能カロリー数: 1,800-600 = 1,200kcal

続けて必要な脂肪分を計算
・80kg × 0.66g~0.9g = 52.8g~72g
・脂質は1gあたり9kcalのため
・9kcal × 52.8~72 = 475.2~648kcal
間を取って540kcal(約60g)としましょう

残摂取可能カロリー数: 1,200-540 = 660kcal

残り660kcalを炭水化物で摂る
・炭水化物は1gあたり4kcalのため
・660g ÷ 4kcal = 165g
摂取できる炭水化物量は165gとなります

結果:
・タンパク質: 150g ≒ 600kcal
・脂質: 60g ≒ 540kcal
・炭水化物: 165g ≒ 660kcal
と中々バランス取れた数字になります。

私なら少しだけ脂質を減らし(55gくらい?)にしてその分炭水化物かタンパク質の振れ幅を設けることによりメニューの選択肢を増やすかもですね。

ちなみにネット上にはこのようなマクロ栄養素計算などありますし、それなりにわかりやすい結果が出ますのでお試しください。そのようなツールを用いて出た結果をより自分のニーズに合わせて調整できるように、上記知識を是非ご活用ください!

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